両手でラインハルトの腰を押し戻して、ヤンは自分の口を解放した。 「駄目……駄目です、ローエングラム候っ。閣下の精力は、私の下の口に方に」 「それは、もう口では受け止めたくないという意味か。それとも卿の尻の奥が淫売のように俺を欲しがっているのか」 「何度も閣下を大きくするのが面倒なんですよ」 全く色気の無いヤンの物言いを、ラインハルトは気に入っていた。 それに、ラインハルトも興味がある。 口の中も十分に快楽の壺だったが、先刻恥じらうように指を銜えていた花の形の箇所は、征服したならいったいどんなにか…… 「では……ヤン秘書。先に進もう。交わるのは、前からがいいのか、後ろからがいいか」 「閣下のお好きな方でどうぞ」 考える間はいらなかった。 「ならば前がいい。……卿の顔を見ていたい」 「……実は私も、あなたを見ていたかったんですよ」 微笑を浮かべて、ヤンは寝そべって膝を立てた両脚を拡げた。片手で自分の性肉をまとめて持ち上げて、目的地を晒してみせる。 「わかりますか……ここに」 「ああ」 ヤンの膝ごと脚を持ち上げると尻が浮かび、その場所が露わになった。 「色も形も花のようだ」 「そんなに……いつまでもじっくり凝視しないで下さい」 誘ってみたり恥じらってみせたり、ヤンという男の本性は全くわからない。確実なのはラインハルトの若い性が初めての体験に期待して、熱く高まっていることだ。 「これが、他者と交わるということ……」 示された場所にラインハルトは自身を進めた。 |